新規事業に取り組もうとする多くの人が最初に直面する壁は、「何から手をつければいいかわからない」という状態だ。情報収集すべきか、アイデアを出すべきか、顧客インタビューをすべきか——やるべきことが山積みでも、地図がなければ無駄な行動が増えるばかりである。本書が提示する「グランドデザイン思考」とは、来るべき理想の未来を描き、そこに近づけるための思考プロセスだ。
従来の新規事業開発は、顧客ニーズの積み上げで発想するアプローチが主流だった。しかしヘンリー・フォードの言葉が示すように、顧客に聞いても「もっと速い馬」の延長線上のアイデアしか出てこない。理想の未来から逆算したからこそ、誰も想像できなかった「自動車」が生まれた。本書はこの逆算思考を5つのステップに分解し、失敗確率を下げ成功確率を上げるための具体的なアプローチを提供する。
地図が正しいか間違っているかは関係ない。まず地図を描くことで行動できる。行動できれば、地図を書き直すという次のアクションが判断できる。本書は新規事業創出の「地図」であり、著者が15年間の実践知から形式知化した一冊である。