コンセプトとストーリーができたら、一度事業規模を推定する。顧客と向き合うことだけに集中し、ビジネス検討を後回しにすると、事業規模が小さすぎたり成長戦略が描けない「行き止まり」のアイデアになるリスクがある。気づくのが遅れて製品開発・量産後では取り返しがつかない。早期にビジネスの絵を描き、必要であればピボットをする。
まず提供価値の中から特に重要な2軸をXY軸に設定し、4象限の顧客マップを作る。たとえばハンバーガー事業なら「エシカル志向の強さ」と「ジャンキーなものへの嗜好」を軸にする。各象限にどのような顧客層が分布するかをプロットし、コアターゲット・サブターゲット・ラガード(非顧客層)を明確にする。ラガードの意見は改善に使えないため、インタビューで引きずられないよう注意が必要だ。
次に、コアターゲット層の人数をフェルミ推定で試算する。「シカゴのピアノ調律師は何人か」を推定するように、いくつかの前提データを積み重ねて市場規模を論理的に導く。その規模が自社の取り組むべきビジネス水準を満たさないようであれば、ここでピボットを決断する。まだコンセプト検証段階で引き返せるこのタイミングが、最も低コストな修正のチャンスだ。