STEP 3 INCUBATION 創業 第5章 N1インサイトと提供価値仮説をブラッシュアップする

提供価値を言語化し、ストーリーを描く

イノベーションにはエビデンスがない。だからデータやロジックだけでは人を動かせず、ストーリーテリングが不可欠だ。提供価値をプロジェクトメンバー全員が覚えられるシンプルなキーワードに凝縮し、顧客の体験がどう変わるかというストーリーに仕立てることで、チーム・上司・パートナー・顧客を巻き込む力が生まれる。

イノベーションには「本当に売れるか」を証明するエビデンスがない。データやロジックだけで理性を説得しようとしても限界がある。人を動かすのは感情だ。象使い(理性)が象(感情)をコントロールしているように見えるが、一度象が暴れ出すと象使いでは止められない。だからこそ、周囲を巻き込むにはストーリーで感情を動かすことが重要となる。

提供価値を言語化する際は、まずプロジェクトメンバー全員が即座に理解し覚えられるシンプルなキーワードを定義する。「地球環境に優しい」「肉よりも肉らしい」「ヘルスケア×ライフケア」といったキーワードだ。それを軸に、これまで整理した顧客の実像やジョブ・ストーリーをもとに、「この商品が人々の体験をどう変えるか」というストーリーに仕上げる。たとえば「食べると地球が再生していく」「ハンバーガーで世界の人々の健康を変える」という一文がそれだ。

さらに、なぜその結論に至ったかのプロセスを「ステートメント」として記述し、コンセプトとセットで語ることでストーリーに深みが増す。デザイナーやイラストレーターがいるチームでは、ビジュアルを加えることで共通認識がより強固になる。ビジュアルは言葉より多くの情報を一瞬で伝え、ビジョンの具現化を加速させる。

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