新規事業においては**「未来は不確実である」という前提に立つ必要がある。既存事業で主流の「コーゼーション」—目標を設定し、その達成に必要な手順を計画通りに進めるウォーターフォール型のアプローチ—は、新規事業の不確実性には対応しにくい。そこで重要となるのが「エフェクチュエーション」**という行動原理だ。
エフェクチュエーションは「自分は何ができるか(What can I do?)」という問いから出発し、今持っているリソース・能力・知識を洗い出して、すぐにできる手段を積み重ねていく。計画にとらわれず、予期せぬ事態をリスクとして避けるのではなくテコとして活用する。信頼できる周囲の人々との協力関係を築きながら、偶然の発見や予期せぬ成果を積極的に活かすことで、新たな可能性が生まれる。書籍『エフェクチュエーション 優れた起業家が実践する「5つの原則」』(吉田満梨・中村龍太著)でその体系が詳しく解説されている。
エフェクチュエーションが新規事業の鍵となるのは、「まず行動する」という点に力点が置かれているからだ。計画通りに進めようとして行動が遅れることは致命的だ。確証バイアスに囚われず、最初の目標に固執しすぎず、「まずはやってみる」という姿勢でリソースを動かし、そこから生まれた課題を乗り越える新たなアイデアを掬い上げていく。