スタートアップがVCから資金調達するように、社内新規事業は経営層から予算という形で資金調達を行っている。金主からの期待に応えることは当然必要だが、経営層が必ずしも新規事業に対して明確な意志を持っているわけではない。既存事業が好調なうちは「活動」を承認してもらえても、状況が変わると「活動」は止められてしまう——これはよくある失敗パターンだ。
だからこそ「なぜ、我が社がこの新規事業に取り組むのか」を最初に言語化することが重要だ。自社の歴史を知り、創業者から受け継がれた理念やパーパスを深く理解し、決算資料・IR資料・統合報告書を少なくとも5年分読み込んで自社の戦略を把握する。社長の年頭所感や新聞・雑誌のインタビューから、今何に力を入れようとしているかを掴む。この理解の深さが、経営層に対して「新規事業領域の参謀」として機能するための土台になる。
Whyが明確になると、戦略的なポジショニングが定まり、進むべき道が見えてくる。また、最初に仮設定したテーマ領域が本当に自社が取り組むべきものなのかどうかも、このWhyの問いを通じて検証することができる。