あるメーカーで顧客インタビューを重ね、事業計画のシミュレーションでも十分な可能性が見えた後、開発費の承認を求めたところ「我が社はメーカーであるのだからモノを作らないビジネスモデルには参入しない」と一刀両断に却下されたケースがある。「それ先に言ってよ」という後出しの制約はほぼ必ず起こる。経営層は具体的な事例を前にして初めて制約条件が浮かび上がるものだからだ。
だからといって確認しなくて良い言い訳にはならない。著者は6W2Hのフレームワーク(Who・What・Why・Where・When・Which・How・How much)で前提条件を整理することを勧めている。すべてを埋める必要はないが、現段階でわかっていることは整理しておく。期間・予算・チーム構成・ターゲット顧客・参入する市場・評価基準など、条件として提示すべきものを明文化することが重要だ。
粗くてもマイルストーンを引き、承認者と議論することで制約条件が見えてくる。「2年後に上市したい」という指示が出れば、そのスピード感に合わせて既存事業とのシナジーや技術転用を考慮した計画に修正できる。プロジェクトチームの役割設計(PdM・PsM・PjMの3つの役割)も、この段階で検討しておくべき重要な前提条件の一つだ。