STEP 3 INCUBATION 創業 第5章 N1インサイトと提供価値仮説をブラッシュアップする

「ジョブ・ストーリー」を描き、インサイトを抽出する

「ジョブ・ストーリー」はクリステンセンの『ジョブ理論』を参考にした潜在ニーズ言語化のフレームワークだ。顧客の状況(When)・欲しいもの(Gain)・現在の代替手段・解決しきれない残課題(Pain)を順に整理することで、Job To Be Done(真の目的)が浮かび上がる。3Mのコマンドフックや子どもを静かにさせるためのミルクシェイクの例が示すように、表面的なニーズの奥に本当のジョブが隠れている。

インサイトを言語化するための有力なフレームワークが「ジョブ・ストーリー」だ。クリステンセンの『ジョブ理論』を参考に、顧客の現状・代替手段・残課題を整理し、Job To Be Done(真に果たすべきジョブ)を定義する。構造は「誰が・どんな状況で(When)→こうしたい(Gain)→でも代替手段では○○という問題がある(Pain)→だからこそ本当に必要なジョブは何か(JTBD)」だ。

3Mのコマンドフックはわかりやすい例だ。マンション住まいの人が「壁に絵を掛けたい(Gain)」と思っても、穴を開けると敷金が減る(Pain)。このPainをGainに変えるジョブとして「壁に穴を開けずに絵を掛ける」が定義され、コマンドフックが生まれた。また、子どもに毎朝ミルクシェイクを買う父親の本当のジョブは「子どもにミルクシェイクを飲ませること」ではなく「通勤中に子どもを静かにさせること」だった。同じ商品でも、買われる目的は状況によって全く異なる

ジョブ・ストーリーは最初から綺麗に埋まらなくてよい。デプスインタビューの内容に戻りながら、チームメンバーの多角的な視点で少しずつ埋めていく反復的なプロセスで精度が高まる。

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