新規事業に取り組む現場では、既存事業の評価軸である「売上・利益」を KPI に設定してしまいがちだ。しかし、イノベーションチームに目先の数字を課すことは、本質的にやるべきでない選択を促してしまう。強い共感で獲得したエヴァンジェリスト顧客との関係を損ない、長期的な事業構築を阻害する。
イノベーションにおいて最優先すべきはビジョンだ。今この瞬間に売上が計画通りでなくても、10年後・20年後のビジョン実現に向けた一歩が着実に積み重ねられているかどうかが問われる。N=1の顧客を幸せにすることは最初の一歩に過ぎず、最終的には社会に大きなインパクトを生み出さなければならない。
ここまで顧客N=1にフォーカスしながらフォアキャストで事業を設計してきた。次のステップでは、最終的に目指すビジョンからバックキャストし、事業戦略を俯瞰して、ビジョン実現へのストーリーを構築する。目先の数字を追う誘惑をグッと抑え、グランドデザインの達成に向けた一歩が踏み出せているかを常に問い直そう。