STEP 3 INCUBATION 創業 第7章 ビジョン実現の成長戦略を描く

グランドデザインを描く

グランドデザインとは、N=1の顧客がビジョンの状態に辿り着くまでのステップを一枚にまとめたものだ。①UXのイノベーション、②事業構造のイノベーション、③産業構造のイノベーション、④より良い未来の実現という4層の全体像を描くことで、経営層との合意形成が深まり、目標とのズレが生じても「どう改善するか」の議論ができるようになる。綺麗に描くことを目指すより、思考実験として社会インパクトを常に考え続けることに価値がある。

グランドデザインとは、N=1で設定した顧客候補がビジョンの状態に辿り着くまでのステップを一枚にまとめたものだ。①UXのイノベーション(ミニマムスタートで圧倒的な顧客体験を実現)、②事業構造のイノベーション(競合優位性と顧客ロイヤルティの仕組みを構築)、③産業構造のイノベーション(新たな市場・職業・経済圏が生まれる)、④より良い未来の実現(ゲームチェンジャーとしてマーケットリーダーになる)という4層の全体像を描く。カメラ産業を例にとれば、カメラ付き携帯電話の登場が写真の「撮る→現像→見る」体験を「撮る→すぐシェア」に変え、SNSの台頭を経てクリエイター・エコノミーへと発展した流れがその典型だ。

グランドデザインを描くことは、経営層への最大の説得材料となる。売上目標だけで合意形成していると、数字とのズレが生じた瞬間に即座にストップがかかる。一方、ビジョンとそこに至るステップの大枠で合意が取れていれば、進捗が悪くても「どう改善するか」の議論ができ、事業継続の判断が柔軟になる。

綺麗に描き切ることを目指すより、「社会に対してどうやってインパクトを出すか」を思考実験として常に考え続けること自体に価値がある。グランドデザイン「思考」の過程こそが、社会変革に繋がるイノベーションを生み出す土台となる。

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