既存事業とイノベーションは、まったく異なるスポーツだと考えてほしい。異なるスポーツに挑むには、そのスポーツの基本的な型を学ぶことから始めなければならない。どれだけ経験豊富なビジネスパーソンであっても、新規事業の方法論を知らないまま「とにかくやれ」と言われても、正しい試行錯誤はできない。まず知識を得ることで、やるべきことの選択肢が明確になる。
イノベーションに挑む上で「素直さ」は重要なファクターだ。自分の過去の経験や価値観と異なるものを身につけパラダイムシフトするためには、うがった見方や斜に構えた姿勢は障害になる。師匠の型を言われるがままに実践してみる素直さこそが、成長を加速させる。千利休の思想に由来する「守破離」のように、まず型を徹底的に守ることで習得すべき技術の約5割まで効率的に学ぶことができる。
型をしっかり理解し実践することで、そこに自分なりの改良を加える「破」の段階に進む。さらに成長すると、型から離れて独自のスタイルを確立する「離」の段階へ。ただし、9〜10の領域はもはや「アートの領域」であり、独自の視点で描くしかない。まずは本書が提示する型を素直に実践することから始めよう。