巻き込み力の第一の柱は「妄想力」だ。顧客のあるべき未来の姿を自由に妄想する能力で、根拠やエビデンスは必要ない。未来は「予測不可能」という前提に立って、ムーンショットな夢物語を描く。あるべき未来を定義してはじめて、現実とのギャップとしての「問題」が明確になる。この問題定義こそがイノベーションの核心であり、課題(問題を解決するための階段)とは明確に区別する必要がある。
意志発信力は、なぜこの問題に取り組むのかをストーリーで語る力だ。ドラマは第1話から見てこそ最終話で泣けるように、「なぜこの問題を解こうとしているのか」という背景とストーリーを繰り返し発信することで、最初は冷めた目で見ていた人にもワクワクが伝播する。人間力は周囲を動かす信頼の土台であり、普段の仕事で成果を出し、人柄を磨くことで初めて「あなただからついていく」と言ってもらえる。
最後の実行継続力は、主体的に動き始めて最後までやり遂げる力だ。「あいつ、あれだけ失敗しているのにめげないな」と背中で語ることで、共感した人が協力者に変わっていく。役員やキーマンを巻き込めていない責任は自分にある——自責の意識を持つ人だからこそ、この5つの力を発揮してファーストペンギンになれる。