STEP 1 PREPARATION 準備 第1章 マインドセットと基礎知識習得

「巻き込み力」を発揮するには5つの力が必要

巻き込み力は「妄想力・問題定義力・意志発信力・人間力・実行継続力」の5つの総合力で発揮される。顧客のあるべき未来を妄想し(妄想力)、そこから解くべき問題を定義し(問題定義力)、ストーリーとして発信し続け(意志発信力)、信頼される人間力を持ち(人間力)、最後まで諦めずに動き続ける(実行継続力)。この5つが揃って初めて周囲を動かすことができる。

巻き込み力の第一の柱は「妄想力」だ。顧客のあるべき未来の姿を自由に妄想する能力で、根拠やエビデンスは必要ない。未来は「予測不可能」という前提に立って、ムーンショットな夢物語を描く。あるべき未来を定義してはじめて、現実とのギャップとしての「問題」が明確になる。この問題定義こそがイノベーションの核心であり、課題(問題を解決するための階段)とは明確に区別する必要がある。

意志発信力は、なぜこの問題に取り組むのかをストーリーで語る力だ。ドラマは第1話から見てこそ最終話で泣けるように、「なぜこの問題を解こうとしているのか」という背景とストーリーを繰り返し発信することで、最初は冷めた目で見ていた人にもワクワクが伝播する。人間力は周囲を動かす信頼の土台であり、普段の仕事で成果を出し、人柄を磨くことで初めて「あなただからついていく」と言ってもらえる。

最後の実行継続力は、主体的に動き始めて最後までやり遂げる力だ。「あいつ、あれだけ失敗しているのにめげないな」と背中で語ることで、共感した人が協力者に変わっていく。役員やキーマンを巻き込めていない責任は自分にある——自責の意識を持つ人だからこそ、この5つの力を発揮してファーストペンギンになれる。

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