新規事業の承認会議で「解像度が低い」という指摘が飛び交うのをよく耳にする。解像度の足りなさとは、「深さ・広さ・構造・時間」の4つのうちいずれかの要素が不足している状態だ。「30代男性、埼玉県在住、年収500万円」という属性だけで定義されるペルソナには実在感がない。顧客のリビングルームが想像できるくらいまで、その人の状況・課題・行動を深く理解することが必要だ。
「広さ」とは選択肢を広げる視点であり、自分が考えているアイデアが本当に最適な解決方法かを常に疑い、比較検討することを指す。「構造化」はロジックツリーで情報を整理し、クリティカルパスを導き出す思考だ。そして「時系列」の視点は特に重要で、Amazonが書籍販売から始めてネットショッピング全体の習慣化を創り出したように、段階的な戦略の設計がイノベーションの成否を分ける。
4つの視点で解像度を高めることは、どのフェーズでも求められる継続的な活動だ。「挑戦したからこそ失敗できた」というポジティブなマインドを持ち、得られた情報を構造的に整理し続けることで、解像度はどんどん上がっていく。解像度の高さがそのまま新規事業の成功確率に直結するのだ。