プロトタイプのテストマーケティングで商品を磨き上げたら、次のステップは「お金を払っても満足してもらえるか」を検証することだ。顧客インタビューで「2,000円なら買います」と答えた人が、実際の商品を目の前にすると「マクドナルドで500円で買えるのに……」と躊躇する。このギャップは新規事業において非常によく起きる現象であり、擬似的な検証では見抜けない。
価格設定の検証には、実際にお金のやり取りを伴う手法が不可欠だ。代表的なのが「A/Bテスト」と「オズの魔法使いテスト」である。A/Bテストでは、同じ商品を異なる価格帯・異なるランディングページで並行して出稿し、実際の購入完了率を比較して支持された側を採用する。オズの魔法使いテストは、システムが完成していない段階でも人が手動でサービスを動かし、あたかも本番稼働しているかのように見せて検証する手法だ。たとえば注文フォームだけを先に用意し、裏側の在庫確認や発送手配は人力で回す、という運用でも検証できる。Zapposはシステム構築前にこの手法で「靴はECで売れる」という仮説を検証し、後に大手ECへと成長した。
どれだけコンセプト検証を重ねても、価格検証で「この値段では売れない」という結果が出れば、事業は成立しない。だからこそ、擬似的なインタビューに頼らず、顧客に実際に財布を開いてもらった上でその行動データを分析することが、このフェーズの核心となる。