STEP 5 ACCELERATION 加速 第9章 反復してビジネスモデルを磨き続ける

プライシング仮説の検証

プライシング仮説の検証では、顧客側の受容性と提供側の収益構造という両面からアプローチする必要がある。売れないからといって安易に価格を下げてコンセプトを崩すのはピボットではなく初期仮説の放棄だ。まず「価格以外の変数」を変えて顧客反応を測り、本当に価格が問題なのかを先に確かめることが正しい順序となる。

プライシング仮説の検証において最も重要な原則は、コンセプトという「定数」を守りながら「変数」を一つずつ変えて検証することだ。例えばエシカルなハンバーガーが2,000円で売れない場合、安易に価格を1,000円に下げて原材料を量産品に変えると、エシカルというコンセプト自体が崩れ、当初とはまったく別の事業になってしまう。これはピボットではなく、初期仮説の変更であり、事業として前進すべき根拠を失うことになる。

価格が問題なのではなく、その価格が妥当だと顧客に伝わる提供価値が足りていない可能性を先に検証すべきだ。販売場所の高級感を演出する、高級食材を使用して価格の妥当性を示す、ターゲットを年収の高い層に絞って広告配信を試みるなど、価格以外のすべての変数を試した上で、それでも売れないと判断したときに初めて「検証し尽くした」と言える。

プライシングは、顧客インタビューや検証結果から受容性のある価格帯を探る「顧客側アプローチ」と、収益構造から取るべき最低価格を算出する「事業側アプローチ」の両面で設定する。この二つのバランスを取りながら、実際に顧客に財布を開いてもらうことで、プライシング仮説の検証は完成する。

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